ホーム4. 破壊力学4.2 引張軟化特性(非線形破壊力学)

4.2 引張軟化特性(非線形破壊力学)

アラミド短繊維補強による薄肉軽量モルタルの引張軟化特性1

〇研究の概要

 日本における木造住宅の外壁は防火構造となっており、その適用材料として代表的なものにラスモルタルが挙げられる。近年では軽量化が図られるとともに、品質が安定する既調合の工場製品が普及し、パーライトなどの軽量骨材を使用した既調合軽量セメントモルタルが一般的に使用されるようになった。しかし、同モルタルは非常に脆性的な性状を示し、乾燥収縮によるひび割れも発生しやすいため、その対策として新素材の一つであるビニロン繊維の短繊維などを混入して補強を図るようになった。ただし、その補強効果の定量的な特性は明らかとなっていない。

 一方、セメント系複合材料の変形性能(特に引張領域における靭性)を評価する研究分野として非線形破壊力学があり、これまで、コンクリート分野などの靭性評価(引張軟化特性など)については、多くの研究実績がある。しかし、ラスモルタルに見られるような薄肉材やパーライトを用いた左官用軽量モルタルなどについての研究はほとんどない。そこで、本研究では、左官用軽量既調合セメントモルタルにおけるビニロン短繊維の補強効果の評価として、同セメントモルタルの曲げ試験を実施して曲げ変形性状を把握するとともに、それに加えて、代表的な試験結果について引張軟化特性を解析的に求めることを試みた。

2022年度日本建築学会大会論文示


荷重ーたわみ関係:アラミド短繊維:0%
荷重ーたわみ関係:アラミド短繊維:0.14%
荷重ーたわみ関係:アラミド短繊維:0.28%
荷重ーたわみ関係:アラミド短繊維:0.42%
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